箱根の山を舞台に繰り広げられた第101回箱根駅伝往路。
2025年1月2日、東京・大手町を午前8時にスタートした21チームによる熱戦は、5区の箱根山登りで最高潮に
達しました。連覇を狙う青山学院大学が、最終5区で中央大学を逆転し、往路優勝を飾りました。
往路レース展開
1区:中央大学が独走でリード
大会の幕開けとなる1区(21.3km)では、中央大学の吉居駿恭選手が驚異的な走りを見せました。
スタートから飛び出すと、そのまま独走態勢を築き上げ、2位以下に1分30秒以上の大差をつけて1区を
走り切りました。
2区:創価大学が猛追、青学大も浮上
2区(23.1km)では、各校のエースが登場し、激しい順位変動が起こりました。
特筆すべきは創価大学の吉田響選手の快走で、区間新記録を樹立。
また、青山学院大学の黒田朝日選手も区間新記録で7人抜きの3位に浮上し、優勝争いの布石を打ちました。
3区・4区:青学大の追撃、中央大学の粘り
3区(21.4km)では、中央大学が首位を守り抜く一方、青学大は3位をキープ。
4区(20.9km)で青学大のエース・太田蒼生選手が登場すると、驚異的な追い上げを見せ、2位に浮上。
首位の中央大学との差を45秒まで縮めました。
5区:青学大、ついに逆転!
往路最後を飾る5区(20.8km)、いわゆる「山の5区」で、青学大の若林宏樹選手が快走。
9.6km地点で中央大学を抜き去り、首位に立ちました。
青学大の逆転劇
太田蒼生の力走が起点に
4区で2位に浮上した青学大。
エース太田蒼生選手の力走が、この逆転劇の起点となりました。
原晋監督は3区終了時点で、「太田がやってくれるでしょう」と太田選手の活躍を予見。
「小田原中継所で先頭との差が30秒なら逆転できる」と、往路優勝へのシナリオを描いていました。
若林宏樹、山を制す
5区を任された若林宏樹選手は、1年時の2022年に区間3位、3年時の2024年に区間2位と、箱根の山で実績を
積んできました。
その経験を活かし、中央大学との45秒差を徐々に縮めていき、9.6km地点でついに逆転。
そのまま首位を守り切り、青学大に往路優勝をもたらしました。
注目の5区「山の頂上決戦」
今大会の5区は、まさに「箱根の歴史に残る”山の頂上決戦”」と呼ぶにふさわしい激戦となりました。
青学大の若林宏樹、”山の名探偵”の異名を持つ早稲田大学の工藤慎作など、各校の精鋭が集結。
青学大の若林選手、城西大学の斎藤選手も優勝争いの鍵を握る存在でした。
この激戦を制したのが青学大の若林選手だったのです。
往路結果と総合優勝への展望
青学大の往路優勝により、2日連続8度目の総合優勝に向けて大きく前進しました。
しかし、2位以下の中央大学、創価大学、駒澤大学も僅差で追随しており、3日の復路でさらなる激戦が予想
されます。
特に注目すべきは、出雲駅伝と全日本大学駅伝を制し、大学三大駅伝の完全制覇を狙う國學院大学の動向。
往路では上位に食い込めませんでしたが、復路での巻き返しが期待されます。
今大会の見どころ
1. 青学大の連覇なるか
昨年の第100回大会で優勝を飾った青学大。
今大会も往路を制し、2連覇に向けて好位置につけました。
太田蒼生、若林宏樹といった主力選手の活躍が、チームを勢いづけています。
2. 中央大の優勝なるか
中央大学は素晴らしいスタートを切りました。
優勝するためには、残りの区間でも安定した走りを続ける必要があります。
中央大学の優勝の可能性は十分にありますが、レース全体の展開を注視する必要があります。
3. 早稲田大学の悲願復活なるか
早稲田大学の2025年箱根駅伝での復活は、チームの融合力と一般組選手の活躍にかかっている。
17年ぶりの往路優勝と7年ぶりのトップ3入賞という目標達成に向けて、チーム一丸となって挑む姿勢が
見られる。長い歴史と伝統を持つ早稲田大学の復活に、多くの注目が集まることは間違いない。
4. 創価大学の悲願達成なるか
2021年の第97回大会で、最終10区で大逆転負けを喫した創価大学。
あれから4年、今大会こそ初優勝を狙います。
2区での吉田響選手の区間新記録など、好材料も多く、復路での展開が楽しみです。
5. 駒澤大学の復活なるか
かつての強豪・駒澤大学も、今大会で復活の兆しを見せています。
出雲駅伝、全日本大学駅伝ともに2位に入っており、箱根での優勝も視野に入れています。
箱根駅伝の魅力
箱根駅伝は、単なるスポーツイベントを超えた日本の新年の風物詩です。
今大会も、数々のドラマや感動的な場面が生まれました。
選手たちの努力と成長
4年間の大学生活の集大成として臨む選手も多い中、日々の努力が実を結ぶ瞬間が箱根の山で見られます。
青学大の若林選手のように、1年次から3年次、そして4年次と着実に力をつけ、チームの勝利に貢献する姿は、
多くの人々に感動を与えます。
チームワークの重要性
10人の走者が襷をつなぐ駅伝は、まさにチームワークの結晶です。
青学大の逆転劇も、4区の太田選手、5区の若林選手という「チームの柱」が、それぞれの役割を全うしたから
こそ実現しました。
予想を覆す展開
今大会も、中央大学の1区からの独走や、青学大の逆転劇など、予想を覆す展開の連続でした。
これこそが、箱根駅伝の醍醐味と言えるでしょう。
復路への展望
3日に行われる復路では、青学大が往路での好位置を活かし、総合優勝を狙います。
一方、中央大学、早稲田大学、創価大学、駒澤大学も僅差で追随しており、逆転の可能性は十分にあります。
また、往路で出遅れた國學院大学の反撃も予想されます。
三冠達成という大きな目標を掲げる同校が、どのような走りを見せるか注目です。
復路のコースは、箱根・芦ノ湖から東京・大手町までの5区間107.5kmです。
特に注目すべきは、6区(20.8km)と9区(23.1km)。
6区は山下りのテクニックが問われる難所であり、9区は「花の2区」と並ぶ花形区間です。
ここでの各校の戦略が、総合優勝の行方を左右するでしょう。
まとめ
第101回箱根駅伝往路は、青山学院大学の逆転優勝で幕を閉じました。
4区での太田蒼生選手の猛追、そして5区での若林宏樹選手の逆転劇と、まさに息詰まる展開でした。
しかし、箱根駅伝はまだ半分。
3日の復路でどのようなドラマが生まれるのか、そして総合優勝の栄冠はどのチームの手に渡るのか。
日本中が注目する中、選手たちの熱い戦いは続きます。
箱根駅伝は、単なるスポーツ競技を超えた、日本の新年の風物詩です。
選手たちの懸命な走りは、多くの人々に感動と勇気を与えてくれます。
復路も、彼らの熱い闘志と努力の結晶を、しっかりと見届けたいと思います。