2025年1月2日、第101回箱根駅伝の往路が行われ、青山学院大学の若林宏樹選手が5区で圧巻の走りを見せ、
チームに往路優勝をもたらしました。
今回は、若林選手の素晴らしい走りと、青学大の往路連覇達成までの道のりを詳しく振り返ってみましょう。
若林宏樹選手のプロフィール
まずは、若林宏樹選手のプロフィールを簡単に紹介します。
- 出身:和歌山県海南市
- 高校:洛南高等学校
- 学年:青山学院大学4年生(2024年度)
- 専門:中距離走・長距離走
若林選手は高校時代から注目の選手で、全国高校駅伝では1年時に5区で区間14位、3年時には1区で区間3位と
いう好成績を収めています。
青学大に入学後も順調に力をつけ、1年時から箱根駅伝に出場。
2022年の第98回大会では5区を区間3位で走り、チームの往路優勝に貢献しました。
青学大の往路までの戦い
2025年の箱根駅伝往路、青学大は以下のようなオーダーで臨みました。
- 1区:宇田川瞬矢(3年)
- 2区:黒田朝日(3年)
- 3区:鶴川正也(4年)
- 4区:太田蒼生(4年)
- 5区:若林宏樹(4年)
1区:やや出遅れるも粘りの走り
1区の宇田川選手は、スタート直後から中央大学の吉居駿恭選手に独走を許してしまいます。
しかし、終盤に粘りの走りを見せ、首位との差を1分45秒に抑えて10位でタスキをつなぎました。
2区:黒田選手の大激走で3位に浮上
2区を任された黒田選手は、驚異的な走りを見せます。
一時は12位まで順位を落としましたが、中盤から粘り強く追い上げ、約18キロ地点で4位集団をとらえると、
20.3キロ地点で駒澤大学の選手を抜き去り、3位まで順位を上げました。
黒田選手の区間タイムは1時間5分44秒。これは区間新記録(区間3位)という素晴らしい成績でした。
3区:鶴川選手が堅実につなぐ
3区の鶴川選手は、初めての箱根駅伝出場ながら堅実な走りを見せました。
10キロ地点で2位の東京国際大学を抜き去りましたが、その直後に創価大学に抜かれ3位に後退。
単独走となりましたが、粘りの走りで2位との差を縮めることに成功しました。
4区:太田選手の力走で2位に浮上
4区を担当した太田選手は、2年連続の区間賞を獲得する快走を見せました。
13.2キロ地点で2位の創価大学に追いつき逆転。
1時間00分24秒という素晴らしいタイムをマークし従来の日本人最高タイムを6秒更新する快挙を成し遂げました。太田選手の力走により、首位の中央大学との差は45秒まで縮まり、逆転の可能性が高まりました。
5区:若林選手の圧巻の逆転劇
いよいよ5区、山登りの区間です。
若林選手は、前回大会でも同じ5区を走り、往路優勝に貢献した経験があります。
その経験を生かし、今回も素晴らしい走りを見せることになります。
スタート直後から猛追撃
若林選手は、中央大学との45秒差でタスキを受け取ると、すぐさま猛追撃を開始しました。
山道のカーブを巧みに攻略し、ペースを上げていきます。
9.5キロ地点で逆転成功
若林選手の猛追は実を結び、9.5キロ地点で遂に中央大学の選手を捉えます。
そのまま一気に抜き去り、首位に立ちました。これはレース開始から約96キロ地点での逆転劇となりました。
中央大学は1区からずっと首位を守っていただけに、この逆転は大きな衝撃を与えました。
区間新記録で往路優勝を決める
若林選手は、首位に立った後も力強い走りを続けます。
途中、足をポンポンとたたく場面もありましたが気力で走り抜き見事にトップでゴールテープを切りました。
若林選手の5区のタイムは1時間9分13秒。
前年に城西大学の山本唯翔選手が出した区間記録1時間9分14秒を1秒更新する新しい区間記録となりました。
青学大の往路優勝の意義
青山学院大学は、この若林選手の活躍により、2年連続7度目の往路優勝を飾りました。
これは、青学大の箱根駅伝における強さを改めて示す結果となりました。
「あいたいね大作戦」の成功
青学大の原晋監督は、今大会で「あいたいね大作戦」を発令していました。
これには以下のような意味が込められています:
●愛する箱根駅伝
●大手町フィニッシュで笑顔で会いたい
●喜び合いたい
この作戦名には、選手たちの思いや目標が凝縮されており、往路優勝はその第一歩を踏み出したことになります。
若林選手の成長
若林選手は、1年生の時から箱根駅伝に出場し、着実に力をつけてきました。
今回の走りは、その集大成とも言えるでしょう。
特に、前回大会でも5区を走った経験が、今回の逆転劇に大きく貢献したと考えられます。
山道の攻略方法や、ペース配分など、前回の経験を存分に生かした走りでした。
チーム力の高さ
青学大の往路優勝は、若林選手だけでなく、チーム全体の力の高さを示すものでもあります。
1区でやや出遅れたものの、2区の黒田選手が大激走で順位を上げ、3区、4区でも着実に首位との差を縮めて
いきました。
そして、5区の若林選手が逆転を果たすという、まさにリレーの醍醐味を体現したような展開でした。
今後の展望
青学大は、往路優勝を果たしましたが、まだ全体の優勝を決めたわけではありません。
3日に行われる復路でも、着実に走り、連覇を達成することが求められます。
若林選手の活躍により、チームの士気は大いに上がったことでしょう。
この勢いを復路にも持ち込み、「あいたいね大作戦」を完遂することが期待されます。
また、若林選手個人としても、今回の活躍は大きな自信になったはずです。
4年生として迎えた最後の箱根駅伝で、こうした素晴らしい走りができたことは、今後の陸上人生にも大きな
影響を与えるでしょう。
箱根駅伝の魅力
今回の青学大と若林選手の活躍は、箱根駅伝の魅力を改めて感じさせるものでした。
ドラマチックな展開
1区から4区まで首位を守り続けた中央大学と、着実に差を縮めていった青学大。
そして、5区での逆転劇。こうしたドラマチックな展開は、箱根駅伝の大きな魅力の一つです。
特に、山登りの5区での逆転は、視聴者に大きな興奮をもたらしました。
実際、若林選手が逆転を果たした際には、ネット上でも大きな盛り上がりを見せていました。
チーム力の重要性
箱根駅伝は、10人の走者がタスキをつなぐリレー形式のレースです。
今回の青学大の優勝も、1人の選手だけでなく、チーム全体の力によるものでした。
1区で出遅れても諦めず、2区で大きく順位を上げ、3区、4区で着実に差を縮め、そして5区で逆転する。
こうしたチームワークの素晴らしさも、箱根駅伝の魅力と言えるでしょう。
選手たちの成長物語
若林選手は、1年生の時から箱根駅伝に出場し、4年間で着実に力をつけてきました。
こうした選手たちの成長を見守ることができるのも、箱根駅伝の魅力の一つです。
4年間の集大成として、最高の走りを見せる選手たち。
その姿に、多くの視聴者が感動し、勇気づけられるのです。
結論
2025年箱根駅伝往路、青山学院大学の若林宏樹選手の活躍は、多くの人々に感動と興奮をもたらしました。
チームの「あいたいね大作戦」を体現するかのような素晴らしい走りは、箱根駅伝の魅力を存分に引き出す
ものでした。
チーム力の重要性、ドラマチックな展開、選手たちの成長物語。
これらすべてが凝縮された、まさに箱根駅伝ならではの名場面だったと言えるでしょう。
若林選手と青学大の今後の活躍、そして3日に行われる復路での戦いに、引き続き注目が集まることは間違い
ありません。箱根駅伝は、まだまだ私たちに多くの感動と興奮を与えてくれることでしょう。